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「勉強の仕方」とは?

更新日:2023年6月15日


 今年は2023年(昭和、平成ではなく令和5年)です。私は、1985年(昭和60年)~2014年(平成26年)、中学校の教員をしてきました。


 在職期間中、頻繁に尋ねられたのは、「勉強の仕方」でした。「うちの子は、勉強の仕方がわからないから、テストで点数を取れないんです」というセリフも、よく聞きました。そんな時「お母さん、勉強の仕方ってあるのでしょうか」なんて言ってしまって、ムッとされたことも数知れず。誰もが認める「意地悪」教師でした。


 さて、今一度「勉強の仕方」について、私見を述べてみようと思います。まずは「ペーパーテストの最善の対策は、丸暗記である」と主張します。社会科や英語は当然と言われそうですが、国語、数学も丸暗記教科だという、過激な主張です。


 更に反発されそうなことを言うと、勉強の仕方という言い方は、暗記を怠けるために使われることが多い、言い訳用語だという事実です。こう言われて、身に覚えがある人も少なくないはずです。逆に、勉強の仕方を知っている人は暗記を厭わないのです。そのため、ペーパーテストで高得点をマークします。


 ですから、究極の「勉強の仕方」は、丸暗記から逃げないことになります。しかし、「暗記は苦手なので」という言い訳にもならぬことを言う輩も存在しています。暗記から逃げるということは、知識欠乏に陥るということと定義します。乏しい知識で、何をどのように頑張っても、たかが知れているからです。そして「勉強の仕方」という曖昧模糊としたことを言う背景には怠惰を恥じない心を感じます。


 現在、自らの出身校であるH高校の近くに住んでいて、風向きによっては校内放送が聞こえてくることもあります。母校を悪く言うのは、あまり好ましくないことかと思います。しかし我が母校は、確実に凋落してしまいました。かつては、大学入試で全国と闘えるレベルだったのが、今や悲惨な結果になり、他県との勝負にもなりません。なぜなのか?その答えは、暗記が足りないからと断言させていただきます。


 秋田県は、全国学力トップクラスという大ウソが広まっています。たかが試験対策のために授業時間を潰したペーパー・テストの結果の「平均点」のみで、こんな大それたことを言っているのです。これは、義務教育だけ言われていることで、高校は沈黙したままです。いくら1日7時間授業をしても、学習内容を暗記なくして、好結果は出ません。全国学力トップクラスならば、更に大学入試等で然るべき結果が出るはず。しかし、その詭弁は既に明らかです。


 こんな具体的結果の下で「暗記は苦手だ」と言うのを、素直に認めていいのでしょうか。どうも、その辺りを勘違いしている人が多すぎるように思います。確かに、丸暗記には、それなりの精神力が必要です。しかし、その辛さから逃げれば逃げるほど、学力低下を突き進むことになります。勉強の仕方は、丸暗記の仕方だということを、肝に銘じるべきです。


 私が大学浪人の時、遊んだ結果により、学力は相当下がりました。そこで、志願先を私立に変えて、国語、英語、社会科の3教科に絞りました。時は、もう10月になっていました。時間はありません。そこで、覚悟を決めて、丸暗記に集中しました。当時の三流私大の我が母校も56倍を超える競争率でした。3教科平均90点が求められました。重箱の隅を突いたような社会科(私は地理B)で、満点は必須条件でした。


 やり方は、シンプルです。高校時代の地図帳とノートだけ。地図帳見開き2ページを白紙のノートに再現する。それだけです。もちろん、都市、山、川、緯度経度など全てを暗記するのです。ろくに食事もせず、外へも出ずに苦節1ヶ月。予備校のテストで、満点をゲット!


 更に、英語は、駿台予備校の冬季講習に参加して、一流予備校による暗記のツボを習いました。それだけ信じて暗記の日々。これまた、予備校のテストで、満点獲得に至りました。そこで「英単語の暗記は無意味」という、驚きの事実を叩き込まれたおかげです。


 それでも入試結果は、8戦2勝6敗でした。世は、怠け者に甘くはありませんでした。しかし、たとえ2勝でも、丸暗記なくしては実現せず、二浪するか、田舎に退散するかという悲惨な結果になったと思います。今でも記憶の引き出しが残っています。


 もう一度言わせていただきます。勉強の方法は、丸暗記なのです。説得力があったのかは不明です。しかし、この主張は曲げません。国語、数学、理科、社会、英語。全て、丸暗記教科なのです。ただし、暗記の仕方は、教科によって異なります。この考え方は、生徒指導と入試対策に明け暮れた29年間の教員生活が、何よりのエビデンスになると思います。


 お子さんの勉強の悩みを抱えるお母さん。学校心理士ならではのコンサルテーション(メニュー参照)をお勧めします。ご相談を承ります。お子さん一緒でも構いませんので、お問い合わせいただきますように。覚える=丸暗記であることを証明します。入試対策テスト60点代に低迷している君。80点代まで引き上げましょう。また、各種資格試験で困っている方も、お受けいたします。


 丸暗記は、ある意味で「コツ」があります。その習得方法は、人それぞれでしょうが、エビングハウスの忘却曲線との闘いになります。しかし、私流に言えば、人間に忘却は存在せず、無意識のエリアの記憶が沈んでいるだけだと考えます。そして、記憶が入り込んだ箱を整理整頓することと、その開閉を滑らかにすることこそ、有効な方法なのです。


 我流理論を敢えて述べせていただくと、一度見たり聞いたりしたことは、絶対に忘れてはいないのです。おそらく、無意識のブラックボックスの中で消えずに漂っていると考えます。ですから、必要に応じて、いつでも思い出すことができるような、細工が欠かせません。そんな記憶箱を作る練習をすることが、丸暗記の目指すところです。


 例えば、中学校国語で、古文や漢文を暗唱させられた経験があるかと思います。枕草子、徒然草、奥の細道、そして漢詩など、それらを暗唱成功できた瞬間がチャンスです。授業の終わりに、「今夜、眠るまでの時間、どの教科でもいいから暗記三昧の家庭学習をしよう。そこで覚えたことは、一生忘れない」と指示します。こうやって、丸暗記の癖を身に付けた中学生をたくさん見てきました。


 ただし、記憶箱ができても、その入り口の開閉をコントロールできなければ意味がありません。その潤滑油となるのが、丸暗記の習慣を活かすことです。何事も、最初から上手くいかないのですから、諦めないことです。


 今、何らかの学習中の皆さん。さあ、実行あるのみですよ。健闘をお祈りいたします。最初は、枕草子の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは」からいきましょうか。


 


 


 

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学校心理士

​健康経営アドバイザー

髙  橋     

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