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ストレスから脳疲労へ

更新日:2024年7月6日


 前回は、ストレスに関して自分勝手なことを書き連ねました。変なオジさんの代表格を自認する私の「戯言」につきあっていただき、ありがとうございました。今回は、面白半分ではなく、ハーフシリアスで書こうと思っておりますので、よろしくお願いします。


 唐突ですが、ストレスとは何でしょうか?一般的には「嫌だ不快だと感じられること」「心も体も疲れさせる事柄」というような回答が寄せられると思います。しかし、その定義について、明確に答えられる人は、あまりいないのではないかと思います。


 ストレスの定義付けをすると、外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のことだそうです。元々ストレスは、物理学の学術用語だったのが、自然科学への時流に乗って、精神医学や臨床心理学にも用いられるようになったそうです。繰り返しますが、ストレスは外部からの刺激なのです。内的世界から湧き出てくるものではないことを、強調したいと思います。

 

 当然のことながら、刺激は脳という臓器を通過しますから、ストレスを過剰に受け止めて処理しなければならないとすれば、脳という臓器も疲れてしまいます。ストレスが、ダメージを加えている対象を心と考えると、物事が急に曖昧化されます。そのため、精神とか心理といった目に見えないものに対する疑念が生じて、それらの存在に対する疑念が拡大していきます。


 私はもちろんのこと、ストレスは気持ちの問題だと決めつけている妙な精神論をもつ人は、大きな誤解をしています。昔々のスポ根論に基づく「そんなの気持ちの問題だ」と軽んじる頑なな考え方は、まだ日本に蔓延っているようです。今となっては、世の迷惑になり果てている存在です。その典型例となる、私のようなストレスと縁の薄い私のような人間は、希少種として扱われるべき超鈍感人間なのでしょう。


 YouTubeで連続配信をしている精神科医は、「ストレス過剰に気づくのも、ストレス過剰に対処するのも、非常に難しい」と、脳科学の観点から言っていました。ストレス過剰の状態の根幹は、気のせいではなく、「脳疲労」が起こっているからです。心と呼ばず、ズバリ脳と言い換えることで、急に物事がスッキリします。


 脳疲労によって、どんな「症状」が出現するか、次にその典型例を示してみます。


①睡眠トラブルが起きる。なかなか眠れず、夜中や朝早くの用もない時間に目が覚めて、そのまま眠れず、起きなければいけない時刻になってしまう。当然、職務等への集中力は弱まる。


②食事を美味しく感じられず、食べ物自体の味を感じないので、楽しめずに義理で食べている状態になってしまう。食事を楽しめなくなる。


③ヘトヘト状態で、気持ちまで沈んで暗く、物事をプラスの方向に考えられなくなる。朝起きた時、退勤後と同じような疲れを感じる。


④自分の考えがまとまらず、イライラする。また、未来に不安しか感じられない。良くないことしか考えられない。


⑤自分は価値のない人間だと思う。自分を否定することばかり、頭に浮かぶ。自分の良さについてなど、考えられない。


 こうなってくるよ、限りなく「うつ」に近い状態だと思われますが、ストレス過剰がもたらす脳疲労の結果です。しかし、睡眠に関する不具合として現れる脳疲労の状態に対処する最も基本的な方法が、休むこと、すなわち十分な睡眠を摂ることだそうです。ストレスによる不眠症状態の有効な回復法が、十分な睡眠だというのは、実に皮肉な取り合わせだと思います。


 高ストレスによるメンタルヘルス不調の予防策のひとつとして、自分の状態に自力で気づき対処する「セルフケア」が提唱されています。ストレスに気づき、好きなゲームでもしてストレス発散などという、軽微な問題ではなく、独力でできることも、限られています。そのため第三者による、適切な対応が必要であるのは、明らかだと思います。


 このように、病を「不調」という当たり障りのない言い方で済ますのが、お役所のいつもの手です。抑うつ状態を自分の力で治せとは、乱暴過ぎる物言いです。まずは、提唱者自身によってストレス自体を正しく理解されることが、必須課題と考えなければならないでしょう。


 本来、自らストレスに気づくのは、至難の業とされています。その手がかりが「飽きてしまうこと」とする精神科医がいます。飽きるということは、集中できない状態です。ストレスを本能的に回避する現象だとするなら、納得できるでしょう。飽きが来たことには、誰でも「気づく」ことができるでしょう。


 こうした自己理解の基礎基本的内容を、セルフケアでの教育研修で、ちゃんと教えているのかどうか、はなはだ疑問です。集団に対するレクチャーでは済まないことだと思います。おそらくは、知識先行型で、具体的行動がすっぽ抜けている状態が推測されます。


 また、YouTubeの精神科医は「うつ病は、ストレスマネジメントの失敗」と断言していました。躁うつ病、統合失調症もまた然り。要は、脳疲労になってしまう前に、ストレスをどう処理するかということです。時には自殺念慮まで抱かせ、実行に至る場合もありうるストレスをいい加減に扱ってはならないということです。


 理解しにくい文章で失礼しました。しかし、事業場の経営者及び運営者という重責を背負っている方々が、この厳然たる事実をご理解いただいているのか。素朴かつ深刻な疑問が生じてきます。また、国から命令されたストレスチェックを、やればそれでいい存在と捉えはいないでしょうか。また、ストレス過剰は命に関わる大問題であることを、どれほど深刻にお考えでしょうか。とても心配です。


 おそらくそこには、命を軽んじるが如き驚愕の事実があると思います。私は、Uターン組の一人ですが、止むに止まれぬ家庭の事情があったからです。今も、県外に就職、進学した人の多くが戻ってきません。その理由は、人それぞれでしょう。しかし、阻むものは共通していると思われます。


 帰省した時に、いつも感じるのは、空の低さでした。そして、弱い陽の光でした。これは、明らかに心に良くない作用をします。秋田県人は、ウェットです。かつては、自殺数全国一位の県でした。私たちは、こんな場所に住んでいます。Aターンが進まない原因の、ほんの一部です。また、少子高齢化がフルアクセルになっています。やりがいのある仕事もありません。若者が楽しむ場所すらありません。


 気候や環境だけで、物を言うつもりはありませんが、配慮ある人間関係のコミュニティを感じられないのが、我々の住む地域の特徴です。仕方なく住んでいるというのは、言い過ぎとは言えないかもしれません。心が病んでいる地域だと言っても、反論は少ないでしょう。


 ここは、田舎なのにストレス過多な地だと思います。更には、ストレスをはじめとした心の問題に無関心で無知な人が多いとも思います。体の不調を心配するのと同程度かそれ以上、心の不調に目を向けてください。そして、元気な心で生きてほしいと思います。




 

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学校心理士

​健康経営アドバイザー

髙  橋     

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